キーボード関係ブログ

自作キーボードの話題を中心に

QMK firmware ファームウェアの初歩の初歩 3

  1. テキストエディタ
  2. PCBへの書き込みツール QMK toolbox         ←いまここ
  3. コンパイル実行環境(仮想的なLinuxコマンドライン環境)

 

この手順ではソフトをダウンロードしてインストールするだけなのだが、英語の情報に慣れていただくという意味で、少し解説を入れたいと思う。

 

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このソフトはwindowsおよびmacOS環境の人が使用するツールであることが記されている。具体的な機能についてはその後の長文にある通りだが、ここで言うdebugとは、よりハードウェア的な仕様に対するdebugのことである。例えば、PCBの型番を間違っていたり、物理的に存在しないキーに機能を割り当てていたりするときにその旨を警告するメッセージが出る。これらはテキストエディタには存在しない機能である。テキストエディタで表示される警告やエラーは、プログラミング言語上のエラーすなわち単語の入力ミスや文法の矛盾(syntax errorと呼ばれる)が中心である。

 

それでは"Newest Rerease"から専用のページに飛んで、ツールをダウンロードしよう。最新版はこの記事の編集段階ではVer. 0.0.9である。

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2つのリンクに下線を引いたが、今回はインストールを必要としない赤線のほうをダウンロードしたとする。どっちを使用しても見た目も使い方も同じである。

下部にはソフトの機能についての記載があるが、KeyboardではなくKiibohdとわざとタイプミスされている。このあたりに開発者のユーモアを感じながらちょっと解読してみると、3項目に結構重要なことが書かれている(この記事の範疇では重要ではないが)。

 

 

Supports additional Arduino bootloader devices.

「さらにArduinoブートローダーデバイスをサポートする」

 

キットを用いた自作キーボードではない、完全自作の自由配列なキーボードを自作した情報はネット各所で確認できるが、そのような場合についてもこのツールが使用できることを示唆している。

自作キーボードについて散々調べてこのブログに辿り着いた人の中にArduinoとは何かを知らない人がいるかどうかはわからないが、まあPCBに頼らずに自作をする場合にはお世話になるハードウェアのことだと思っておけばよいだろう。bootloader devicesと修飾されているので、Arduino互換機でも問題なく使用できると思われる。なお私は試していない。

 

ダウンロードが終わったら、まずは開いてみて見た目を確認する。

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"Local file"にコンパイルしたファームウェアのファイルを入力し、"Microcontroller"の欄にはコントローラと呼ばれるPCB上の信号を制御するチップの型番を入力する。実際の使い方はファームウェアを書き込む際に説明したい。

今はエラーが無く起動できることが確認できればそれでよい。このソフトを使ってキーボードに書き込むんだなあと思いながらそっ閉じで、いよいよ次が最もめんどくさいコンパイル環境のインストールである。